【レビュー】黄昏ニ眠ル街

「黄昏二眠ル街」をクリアした。

トロフィー埋めても10時間くらい。問題は、ジャンル。公式では「3D探索アドベンチャー」となっているがどちらかというと3Dアクションゲーム。通常のアクションゲームでは存在する「戦闘」の要素は一切ない。敵に該当するものは出てこない。あえていうなら「スーパーマリオ64」からすべての敵を排除したようなゲームである。アスレチックゲームというか…。

ステージクリア式で街に点在する「大地の源」を集めていく。「街で大地の源を集める」→「街にある”聖域”で霧を晴らす」→「街で大地の源を集める」→次の街へ…を繰り返す。

よかったところは「街の作り込み」。時間変化によるライティングの変化、街で集めるためにひたすら彷徨くことになるんだけど、高低差やジャンプ台の配置もあってロケーションはよかった。

欠点は「単調すぎること」。ゲームとしてはただ点在してるギミックやアイテムを集めるだけでストーリー的な要素はほぼない。あまりにもフレーバーが少なすぎて結局主人公ちゃんはなんなのか全くわからない。

賛否両論になりそうなのはギミック解除のためのアクション習得。街を解放していくごとにアクションを取得できるんだけど、結局最後まで習得した状態前提で大地の源は配置されているので「あそこは今はいけないけど、いつか行けるんだろうな」みたいなモヤッとするところはあった。あとはアクションがやたら「ふわ~っ」と挙動なのもちょっとな…、もうちょっと緩急をつけてほしいかな。特に落下とか。最後まで行くとギミック解除やあまりゲームしない人にもあの落下速度だから制御しやすいようにこういう味付けなんだな、っていうのはわかるんだけど。

あとは街のオブジェクトが全編にわたって同じだったり、壁のテクスチャが同じなので全部同じ街に見えてしまうのはもったいなかった。最後の方になると「この街はこの橋が特徴的なんだな」など分かる部分もあるんだけど、色彩も暖色系に寄ってしまっていたり、聖域のオブジェクトやライティングは街を経過しても共通なので「同じところで彷徨いてる」感が強い。

難しくはないし(クセは強いけど)ので、ちょっと息抜きに3Dで散歩したい人は是非どうぞ。もうちょっと「Fragile さよなら月の廃墟」ぐらいのストーリー感やロケーション感があればよかったのだけど、それは贅沢すぎるね。

(このタイトル、「に」がカタカナの「二」なんだけど最後まで普通にひらがなだと思っていた)